第14章誘惑

~ヘルメス~

扉が開いた瞬間、頭の中にあった筋の通った思考が、きれいさっぱり吹き飛んだ。

いったい何を着てるんだ。

まるで身体に縫いつけられたみたいに張りついている。襟元はゆるく垂れていて、低い――低すぎる。肩紐は息を強く吹きかけただけで切れてしまいそうなほど細い。裾はかろうじて太腿の半ばまでしかない。脚の線も、腰の丸みも、布地がくっと引かれたウエストの柔らかさも、全部見えてしまう。

見つめる。なのに、やめられない。

なぜなら、それはまさしくあのドレスだったからだ。

あの夜は、ろくに見ていなかった――ちゃんとは。俺の興味は、ただ彼女の脚を開かせることにしか向いていなかった。

だが...

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