第147話間違い

六月

そっとドアを押し開け、中へ一歩入った瞬間、肩の力ががくりと抜けた。

今日は、私の中に残っていた最後のひとしずくまで、きれいに絞り取られてしまった。ナタリアの、終わりの見えない「急ぎ」の仕事リストのせいで。なぜかそれは、いつだって私にだけ降りかかってくる。

もう、へとへとだった。身体が疲れているというより、もっと個人的なところをすり減らされたみたいな疲労だ。

何もかもが崩れていく。私は脅され、追い詰められ、操られている……それなのに、何ひとつやり返せない。怖いからだ。責められるのが怖い。泥の中に引きずり込まれるのが怖い。そして、してはいけない相手を愛してしまった――ただそれだけの過...

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