第15話トイレにいるあなたと私 1

六月

ふう。彼がトイレに入った瞬間、私は思わず息をついた。

安堵してため息なんて、していいのだろうか。

さっきの私は、ほとんど変態そのものだった――酔っぱらいの追っかけみたいに、彼の腕の中へ倒れ込みそうになって。

あの忌々しいテキーラ――

違う。六月、罪のない酒のせいにするんじゃない。

テキーラを三杯飲んだからって、男の胸に一直線に突っ込むほど酔うわけがない。

でも……さっき、彼の心臓、速く打ってなかった?

それとも、それも私の思い込み?

はあ。もういい、六月。今起きたことは全部忘れろ。

少なくとも、彼は私が少し酔ってると思ってる。……それって、都合がいい、よね?

「さて、これは...

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