第156章メッセージ

ジューン

私は目の前に立つ背の高い人影を見つめたまま、凍りついていた。見覚えがないようでいて……どこか見覚えもある。今にも華やかな夜会へ向かいそうな、隙のないタキシード姿だった。

「えっと――」

唇が動き、言葉を形にしようとしたのに、声は少しも出てこなかった。

「やあ……その――覚えているかどうかわからないけど、僕は――」と、彼はためらいがちな声で切り出した。

「テッド」私は首を振り、彼の言葉をさえぎった。「ごめんなさい、テッド先生。覚えています。あなたはヘルメスの……つまり、グランデさんのお友達でしょう。あのとき私を診てくださった……」そこまで言って、声はしぼんでいった。頬に熱がさ...

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