第183話いい子になれ

~ヘルメス~

何かの悪い冗談に違いない。

ほんの少し前、俺は人生でいちばん衝撃的な奉仕を受けたばかりだった。相手は俺の秘書――かつて秘密の関係にあった女。俺の友人のもとへ去っていった、その彼女からだ。なのに今は? このすべてを秘密にしておきたいと言う。

そして……ああ、くそ。俺は彼女の言うことを聞きたい。ただあとでわかりやすいご褒美が待っているからだけじゃない。俺は、彼女に従いたいのだ。全身の神経がそう叫んでいる。

だが今――テッドが彼女をデートに連れていくみたいに話すのを聞いていると、どうにも気に食わない。あいつが彼女の手を握る様子も、二人の距離の近さも……それが胸の内側を引っかくよ...

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