第192章父親に会う

~ヘルメス~

俺はがばりと上体を起こし、胸骨を打ちつけるような鼓動に息を詰まらせながら、扉のほうを振り向いた。

「彼女の法的保護者はどなたです?」

医師が鋭く問いかける。

「私です――」

「俺だ――」

ケイラの声が、俺の声に真っ向からぶつかった。

二人ともぴたりと口をつぐむ。

一瞬、廊下がしんと静まり返った。ケイラはまだ泣きはらして腫れた目で俺を見た。「この人は……この人は赤ちゃんの父親です」と、ぎこちなく医師に告げる。「でも私は彼女の友達で、ルームメイトです。ずっとそばにいたのは私です」

医師は眉を寄せ、素早くその情報を整理するように目を細めた。やがて息を吐く。

「わかりま...

ログインして続きを読む