第230話新しいレイラ

♤カイン♤

まる一分、誰ひとり動かなかった。

部屋は凍りついたようだった。俺の部下たちは戸惑いながら立ち尽くし、次の命令を待っている。俺が爆発するのを待っている。命令を下せと、何かしろと。

だが、俺は何も言わなかった。

頭の中ははるか彼方へ飛んでいた。トビアスについて新たに知ってしまったこと――あいつが死ぬ前にやっていたことの数々へ。

俺に一度も話さなかったこと。

そして、その一つひとつが、まるで円を描くようにあいつの死へと戻っていくことに。

俺はゆっくりと腕を組み、視線をディミトリに固定した。

「……なぜ、あいつはお前に会った?」静かに問いかける。「情報を得るためか?」

奥...

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