第29章賞賛か嫉妬か

六月

私は十三回目のため息をつき、肩越しに顔を上げて、ブラインドの隙間からグランデさんをちらりと見る。ああ、よかった。ブラインドは閉められていない。

怒鳴られたのは事実だ。もう二度と自分にコーヒーを淹れるな、とまで言われた。

それこそが狙いだった――そして、厳密に言えばうまくいった。ひとつだけ、ちっぽけで、どうしようもなく間抜けな問題を除けば。

この作戦、私の味方なの、それとも敵なの?

だって私は本来、彼の不快そうな様子にほくそ笑んで、満足して、もしかしたら少しくらい勝ち誇っているはずなのに。なのに……?

私は……馬鹿みたいに、その、あの人の声だけで興奮している? あの「くそっ」の...

ログインして続きを読む