第44話アット・シン・シティ・シック

ジューン

「あっ、これのことは知らなかったな」私はわざとらしく驚いたふりでうなずきながら言う。

そう。そのとおり、私は自分でもどうかと思いながら、ミスター・グランデをかばっている。

どうしても、それを口にする気にはなれなかったのだ。

「それでね」リアはぱっと顔を輝かせたが、ふと携帯に目を落とした。「やばっ――時間だわ」彼女は勢いよく席を立ち、トビアスのほうを向く。「迎えを呼んで」

クリスも立ち上がる。「その必要はないよ。車で来たから」

リアは目を丸くした。「何で来たって? そういうのはなしって話だったでしょ――」トビアスに肘でつつかれて、彼女はそこで言葉を切った。

「行こう」彼はも...

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