第77話裸で出て行きたい

六月。

冷たいタイル張りの壁に背中をやわらかく打ちつける。どん、と鈍い音。彼の身体が檻のように迫り、逃げ場を奪う。

「開けろ」耳元で唸られ、考えるより先に腿が震えながら割れた。

濡れきったドレスの下へ手が滑り込み、しゃっ、と布地が腿を擦り上げられる。指先が、腫れてうずくそこを探り当てる。

細く長い指が円を描く。ゆっくり、容赦なく、同じ円を。

「ぁ……っ」鋭く高い喘ぎがこぼれ、冷たい大理石の壁に反響した。

「もう滴ってる」掠れ声。唇が耳をかすめ、熱い息が吹きかかって、背筋がぞくりと震える。「この穴は俺のために作られたんだ」

「お……お願い……」声が途切れ、頭が壁にごつんと落ちた。

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