第5章

土曜日の朝九時。私はパソコンの前に座り、軽快なリズムでキーボードを叩いていた。もしこれが法廷での争いなら、手元にある録音データは、私の「決定的証拠」となるはずだ。

栗山拓海。本当の意味での「精密攻撃」とはどういうものか、あなたが私に教えてくれたのよ。

私は動画ファイルを開き、音声トラックだけを抽出して編集作業に取り掛かった。映像はあまりに生々しく、私的すぎるからだ。だが音声は違う――それは純粋で、致命的な証拠となる。不要な背景ノイズを削ぎ落とし、最もクリアな会話部分だけを残していく。特に「響子はまるで、クソ真面目なコンピュータだ」というあのセリフと、二人が唇を重ねる音。すべてのディ...

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