第7章
月曜日の夜十一時。ベッドに入る支度をしていたとき、窓の外から突然、バリバリという耳障りな音が響いてきた。
私が住んでいるのは福岡市南区にある六階建てのマンションで、普段なら静まり返っている時間帯だ。だが今、眼下の歩道から、二度と聞きたくなかった声が聞こえてきた。
「テスト、テスト……ワン、ツー、スリー……」
『嘘でしょ、冗談じゃないわ』
私は窓に歩み寄り、ブラインドの隙間から外を覗き込んだ。街灯の下、携帯用の拡声器と小さな発電機を傍らに置いた見慣れた姿が立っている。拓海だ。ここを突き止められたのだ。
「響子、聞いてるんだろ」
拡声器を通した彼の声が通り全体に響き渡る。
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