第23章 彼を招いた

「外に出て気晴らしするのもダメだ。行動範囲は家の中だけ。階段の上と下、それ以上は一歩も許さない。窓を開けることすら、禁止だ」

そう言い放った秦野彰は、林夕葵の瞳をまっすぐ見据えていた。一語一語が、床に叩きつけられるみたいに重い。

――本気で、閉じ込める気だ。

反抗できないと見切ったからこそ、ここまで強硬に出る。

林夕葵は乾いた笑いを漏らした。

「でも忘れないで。私、がんよ。明日、治療のために病院へ行くの」

ソファから立ち上がり、感情の欠片もない秦野彰の目を真正面から見返す。

「死なせたいなら、そう言えばいい。肺がんの末期だもの。どうせ、あと何日も生きられない」

「医療が介入す...

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