第24章 奴の家族は皆死なねばならない

安吾はたしかに自分の腹を痛めて産んだ子だった。けれど、その子には愛しがたい父親がいる。

だから安吾の顔を見るたび、あの醜く太った男の姿が脳裏にちらついた。

今となっては、そのあの醜く太った男に捨てられ、安吾を連れて新しい寄る辺を探さなければならない身だ。

ようやく掴んだ命綱が秦野彰だった。ならば安吾には、何としてでも彼に気に入られてもらわなければ困る。

男の憐れみと同情。それだけでも、秦野彰のそばに居場所を築くには十分だ。

こんな大事なところで、絶対にしくじるわけにはいかない。

……

その夜、秦野彰は帰らなかった。とはいえ寝室に入ってくることはなく、隣の客室へ向かった。

林夕...

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