第25章

今この場で秦野彰と真っ向からぶつかるわけにはいかない。そんなことをしたら、陸川時生が中へ入る余地すらなくなる。

「では、そのように」

秦野彰は身を翻し、永川医師を見送ろうとした。

そのとき、陸川時生がふいに口を開く。

「秦野さん、検査の一部でポータブルのエコーを使います。車に積んでありますので、取ってまいります」

言い終えるや否や、秦野彰の返事も待たず、足早に玄関へ向かった。

秦野彰の視線が、その背中を追う。ふっと目が細くなった。

そして林夕葵へ顔を向ける。

「その『助手』……どこかで見た気がするな」

心臓がどくりと跳ねた。だが林夕葵は顔色ひとつ変えない。

「そうですか?...

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