第66章

入院五日目。

林夕葵は丸一日かけて精密検査に回された。CT、血液生化学、肝腎機能のフルセット。検査台に横たわると、冷たい機器が肌に貼りつき、機械の駆動音だけが鈍く規則正しく響く。

彼女は、黙って従った。

生きたいからじゃない。

陸川時生が、ただ一言――「辰樹のペンダント、データ復元に入ってる。結果が出るまでは、最低でも待て」――そう言ったからだ。

その言葉一本で、林夕葵は病床に縫い付けられた。

結果は、驚くほど早く出た。

主治医は報告書を手に病室へは行かず、看護師に陸川時生を医局へ呼ばせた。

扉が閉まる音は小さい。けれど陸川時生の胸は「どくん」と沈んだ。

「陸川先生、同業で...

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