第68章

秦野彰は三日間、彼女の電話にもメッセージにも一切返さなかった。

以前なら、どれだけ遅い時間でも、彼女がかければ呼び出し音はせいぜい二回。深夜でも、会議中でも、必ず出た。

今は違う。呼び出し音すら鳴らない。即、留守番電話。

林遥香が人に探らせると、返事はすぐに来た。秦野社長はH市第一病院にいる。林夕葵の病室に付きっきりで、三日間、病室のドアから一歩も出ていない――。

手にしていたグラスが「パァン」と床に砕けた。水と破片が跳ね、足の甲を濡らす。

秘書が青ざめて駆け寄り、慌てて片づけにかかった。

林遥香は動かなかった。ソファに座ったまま。割れたガラスが足の指に刺さっているのに、痛みなど...

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