第8章 本当に死ぬぞ

林夕葵は呆然と、その墓碑を見つめた。衝撃で息の仕方すら忘れる。

「……そんな、ありえない」

辰樹の墓は、ここだと。確かに覚えている。

慌てて身を翻し、隣の墓碑へ視線を走らせる。

違う。

さらにもう一つ。

それも違う。

秦野彰はその場から動かず、雨の中を右往左往する林夕葵を眺めていた。口元の嘲りが、じわじわと濃くなっていく。

「夕葵、もういい加減にしろ!」

怒号が雨を切り裂いた。

「五年も芝居を打って、疲れないのか? 俺を繋ぎ止めるために、自分の息子を呪うなんて……反吐が出る!」

林夕葵はその怒鳴り声を浴びても、まるで反応しない。

違う。そんなはずがない。絶対に――。

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