第96章 再構築と殺意

早朝。

陽光がブラインドの隙間を裂き、VIP集中治療室の金属製ベッド柵に細い刃のように落ちた。

林夕葵の指先が、きゅっと縮こまる。

重たい人工呼吸器のチューブはすでに外されている。耳に引っかかった細い鼻カニューレだけが、彼女の呼吸を支えていた。

――目が、開く。

ぼんやり滲んでいた視界が、ゆっくりと焦点を結ぶ。

かつて瞳の底に沈殿していた死灰、絶望、濃い倦怠。それらがごっそり抜け落ちていた。

代わりに宿っているのは、あまりにも純粋な――迷い。

製紙工場から出てきたばかりの白紙みたいに。

眼球が動く。白い天井、チッ、チッと規則正しく鳴る輸液ポンプ。最後に、手の甲の留置針へ。

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