第10章

食後、西原お爺さんは「雨の日は道が悪い」と言って、西原司一家三人を実家に泊まらせることにした。

西原司は素直に頷いた。

周防凛は帰るつもりだったが、西原景冶にべったりと絡まれてしまう。

景冶は「美晴おばさんが世界一いい人」だと思っている。けれど心の奥では、やっぱり母親のことも好きだった。

母さんはうるさい。そう思っていても、会えないと恋しくなる。それが子どもだ。

西原お爺さんは、わざと夫婦二人を引き留めたのだ。

何年も前から、西原司と周防凛を本気でくっつけようとしてきたのは、西原お爺さんだけだった。

お爺さんは将棋が好きで、西原司を書斎に連れて行き、盤を挟んで向かい合う。

凛...

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