第108章

朝日柏矢は、美人が涙をこぼすのだけはどうにも見過ごせない。慌てて葉山美晴を庇い、西原司に向かって言った。

「美晴は心配しすぎただけだよ。黄前おばさんの病状が、やっと良くなりかけたところなんだろ? 俺だって同じ立場なら、気が気じゃなくて周防凛のところに駆け込む」

周防凛のあの態度を思い出しただけで、柏矢の腹の底が煮えくり返る。

「それより周防凛だよ。あいつ、被害者ぶってるくせに、いつの間にか加害者みたいなツラしてさ。傲慢で横暴で、手がつけられない」

「お前、知らないだろ。カフェに人がいっぱいいるのに、熱いコーヒーを大きいカップのまま、美晴の顔にぶっかけたんだぞ」

柏矢は歯を食いしばっ...

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