第112章

エレベーターが故障し、猛スピードで落下した。

周防凛は西原司の胸にしがみつき、額を彼の心臓のあたりに押しつける。

ほどなくして、エレベーターは最下層まで叩き落とされるように到達した。

ガクン、と止まった瞬間――凛の荒い鼓動が、ようやくゆっくり落ち着いていく。

中は真っ暗なまま。凛は慌ててポケットからスマホを探り当てた。

画面を点けようとした、そのとき。

腰に回っていた腕が、ぐっと締まる。

「西原司、なに……」

言い終える前に、強い力で壁へ押しつけられた。

次の瞬間、男の指が凛の顎を掴み、わずかに持ち上げる。

困惑と衝撃で息をのむ凛に、西原司がいきなり、乱暴に唇を落としてき...

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