第12章

「平岡様」

葉山美晴が歩み寄り、平岡貴利に声をかけた。

周防凛の姿を認めた瞬間、葉山美晴の表情がわずかに揺れる。だが、それも一瞬で、すぐに平静を取り戻した。

「葉山さん、どうも」

平岡貴利は丁寧に会釈する。

葉山美晴が口を開くより先に、平岡貴利が先手を打った。

「凛ちゃん、紹介するよ。こちら、葉山美晴さん」

にこやかな声とは裏腹に、平岡貴利は周防凛のすぐ隣に立ち、立場をはっきりさせてみせる。

葉山美晴の瞳の奥に、ひやりとしたものが走った。

「平岡様、私が開発した新システムの件で、少しお時間を――」

新システムの勢いに乗せ、そのまま平岡グループ入りの話へ繋げるつもりだった。...

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