第129章

二日後、平岡貴利が戻ってきた。その日のうちに、平岡澤矢を迎えに来る。

平岡貴利が持ってきたのは、朗報だった。

「凛ちゃん。澤矢のご両親、峠は越えた。今は状態も安定してる。しばらくしたら、家に連れて帰れるよ」

そう言って、彼は周防凛に深々と頭を下げた。

「この間、本当にありがとう。澤矢のこと、面倒見てくれて」

さらに、わざわざ高そうな贈り物まで用意してきていた。礼の気持ちだという。

澤矢は自分がここを離れると分かっていて、凛のそばから離れがたい様子だった。

「周防おばさん、澤矢ね、毎日おばさんのこと思い出すよ」

そう言って、ランドセルから一枚の絵を取り出し、凛に差し出す。

開...

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