第166章

鈴崎創の登場で、会議室の空気が一変した。

周防凛と平岡貴利は目を合わせ、示し合わせたわけでもないのに、同時にふっと息を吐く。

沈村照の口元の笑みが薄れる。周防凛の肩越しに視線を滑らせ、出入口に立つ男へと落とした。洗いざらしで少し色の抜けた灰色のジャケット。場違いなほど質素な身なりが、かえって目を引く。

「お前が鈴崎創か?」沈村照の声には、わずかな警戒が滲んでいた。「もう遠崎をクビになってるはずだ。ここへ何しに来た?」

鈴崎創は沈村照を一瞥すらしない。まっすぐ周防凛と平岡貴利の前まで歩み寄ると、手提げのブリーフケースから分厚い書類の束を取り出し、会議卓の上へと置いた。

「平岡様、周防...

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