第192章

周防凛が博士課程の合格通知を受け取ってから数日後、松谷南のチームから最初のプロジェクト資料が届いた。

昼は平岡グループで仕事をさばき、夜はマンションに戻って文献を読む。気づけば深夜、という日も珍しくない。

西原景冶は二週間ほど周防凛と同居していたが、毎晩「お母さん」の寝る前の読み聞かせが終わるまで、頑として目を閉じようとしなかった。

その夜も、読み聞かせを終えるころには景冶はうとうとし始めていた。ところが、ふいにぱちりと目を開ける。

「お母さん、お父さんと仲直りしたんでしょ?」

周防凛は一瞬、言葉を失った。

「だって最近、一緒に晩ごはん食べる回数が増えたもん」景冶は指を折って数え...

ログインして続きを読む