第33章

夕方になるころには、西原景冶のぶり返していた熱はすっかり引き、身体に出ていた赤い発疹も薄れていった。

景冶は甘えるように言う。

「お母さんのカルボナーラが食べたい」

周防凛は手を止め、台所へ向かって夕食の支度を始めた。

元気を取り戻した景冶は、ぱくぱくと勢いよく食べる。食欲も十分で、むしろ病み上がりとは思えないほどだった。

息子の状態が完全に落ち着いたのを見届け、凛は荷物をまとめ始める。家に戻るつもりだった。

すると景冶が異変に気づき、慌てて凛のそばへ駆け寄ってくる。

「お母さん……帰っちゃうの?」

凛は景冶の頭をそっと撫でた。

「お母さん、大きな案件があるの。戻って残業し...

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