第35章

平岡貴利は、ちょうど周防凛と並んで歩いていた。

彼は軽く、ぽん、と周防凛の肩を叩き、助言する。

「凛ちゃん、先生のところに話を通してみるか?」

松谷南が率いるのは、いま業界でも指折りの研究チームだ。守備範囲は広く、新エネルギーも師の主要分野のひとつ。

周防凛はその愛弟子だ。彼女が頼めば、松谷南が無下にするはずがない。

けれど周防凛は首を横に振り、相手を落ち着かせるように微笑んだ。

「平岡様、大丈夫です。私がやり切ります」

平岡貴利は確信に満ちた笑みで返す。

「信じてなかったら、お前を平岡グループの社長に据えたりしない」

そして、目の奥に称賛を宿して言い切った。

「周防凛。...

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