第61章

西原家のおじいさまは昔から丈夫だった。だが年を重ねるにつれ、少しずつ身体に不調が出はじめている。

これまでは、せいぜい風邪だの腰だのといった軽いものばかりだったのに、今回は――脳卒中の前兆だという。

西原司は徳村先生におじいさまの詳しい状態を確認し、刺激を与えないためにも、離婚の話はひとまず先送りにするしかなかった。

その夜、西原司はおじいさまの望みどおり、西原の実家に泊まった。

ただし、葉山美晴のことが気がかりで、急ぎの仕事を口実に一度だけ外へ出た。病院へ顔を出し、見舞うために。

美晴は司をかばって怪我を負った。命の危険は脱したとはいえ、まだ顔色は悪く、身体も弱っている。

司が...

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