第67章

闇の中から、西原司の追及するような声が飛んできて、周防凛は一瞬、息を呑んだ。

鼻先を刺すのは、濃い酒の匂い。そこに、葉山美晴のものとしか思えない香水が絡みついてくる。

不快だった。凛は西原司の胸に手をつき、感情を押し殺して告げる。

「西原司……酔ってるでしょ」

酒臭い男が、なぜ突然自分の家の前にいるのかは分からない。けれど、肌にまとわりつく敵意だけははっきり感じ取れた。

押し返そうとする。だが、西原司はびくともしない。

「西原司、離して」香水の甘ったるさが喉を刺激して、凛は眉をひそめた。

離すどころか、腰に回された腕の力がぎゅっと強まる。

「周防凛、答えろ」

暗闇の中、二人...

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