第69章

西原司は立ち上がり、周防凛の前まで歩み寄ると、真摯な表情で言った。

「周防凛。昨夜は俺が度を越した。……すまない」

周防凛は西原司とこれ以上こじれたくなくて、視線を伏せたまま小さく返す。

「大丈夫です。ただ……お互い酔っていただけですから」

――最初に触れてきたのは彼だ。けれど、彼女も拒めなかった。

そう言い終えると、周防凛は西原司の横をすり抜け、キッチンへ向かった。何か朝食でも、と思ったのに。

数歩進んだところで、ふと足が止まる。

ダイニングテーブルの上に、すでに朝食が用意されていた。

出前のパック類は見当たらない。盛り付けも、湯気の立ち方も――どう見ても、誰かが手を動かし...

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