第71章

西原お婆さんの張り手が飛んだ瞬間、周防凛の頬に灼けつくような痛みが走った。遅れてじわりと、くっきりした指の跡が浮かび上がる。

西原お婆さんは怒りで肩を震わせ、開口一番、まくし立てた。

「周防凛、あんた母親として何をやってるの! うちの可愛い孫に万が一があったら、私は絶対に許さないからね! 景冶がナッツに重いアレルギーを持ってるの、知ってたでしょう。それなのに誤って食べさせるなんて……。あんた、わざと景冶を殺そうとしてるんじゃないの? この悪毒な女!」

頬の痛みで一瞬、視界がふらついた。周防凛はぼんやりしかけ、数秒してようやく意識を引き戻す。

責め立てられても、彼女は声を乱さない。

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