第73章

西原景冶は具合が悪くなると、いちばん周防凛にべったりになる。注射も、薬も、休息も――全部「お母さん」がそばにいないと嫌だと言った。

周防凛は平岡貴利に頼み、在宅勤務へ切り替えてもらった。景冶の看病をしながら、仕事も回すために。

平岡貴利は電話口で景冶を気遣い、本当は見舞いに来るつもりだったらしい。だが景冶の敵意があまりに露骨で、結局、足を運ばなかった。

景冶は昔から、お母さんと距離が近い「よそのおじさん」が嫌いだ。とりわけ平岡貴利は、目に入るだけで眉をひそめる。

三日続けて、周防凛は病院に張りついた。

西原司は毎日見舞いに来た。来るたびに何かしらのプレゼントを抱え、景冶のそばで何時...

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