第80章

暗闇のなか、周防凛は熱い腕に抱きすくめられているのを感じた。

凛はもともと眠りが浅い。はっと目を開ける。

鼻先をくすぐったのは、西原司の身体から漂う、馴染みのある淡い香り。寝間着越しに胸板へ手を当てると、いつもと違う熱が掌に伝わってきた。

「西原司……体温、すごく高い。具合悪いの?」

心配して問いかけると、司の呼吸が重くなる。声まで息を含んでいた。

「……うん」

ぱちり、と音がして、凛は慌ててベッドサイドの灯りを点けた。

明かりが灯った瞬間、司の異変がはっきり見えた。頬は不自然なほど赤く、額には汗が滲んでいる。

身体の内側から焼けるような熱に耐えきれないのか、司は寝間着のボタ...

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