第92章

その夜、西原司は葉山美晴を病院へ連れて行った。

医師の診断は、ただの捻挫。骨や腱に異常はなく、数日安静にしていれば治るという。

診察を終えると、西原司は自ら葉山美晴を家まで送り届け、抱きかかえて階段を上がり、深夜まで付き添って世話を焼いた。

葉山美晴は小鳥のように西原司の胸に身を寄せ、他愛ない話を続ける。けれど口を開けば開くほど、話題は西原景冶のことばかりだった。

――前回、西原景冶がナッツアレルギーで救急搬送された一件以来、西原司はどこか彼女に冷たくなった。

美晴は分かっている。西原司の心を繋ぎ止めたければ、結局は景冶を喜ばせ、守る姿を見せるのが一番だ。

だから葉山家は仕掛けた...

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