第15話

「この悪い女! 紗月おばさんに、なんでそんなこと言えるんだよ!」

神谷怜は、美玲のあのふてぶてしい態度に腹の底から煮えくり返った。ぎゅっと拳を握り、憎しみを滲ませて美玲をにらみつける。

「神谷怜、黙ってて。これは大人の問題よ。私が片づける」

私は怜を自分の背にかばい、落ち着いた目で美玲を一度だけ見た。

「美玲さん。黒瀬奥さんの席が欲しい? いいわ。黒瀬蓮も、黒瀬律も、あなたに譲る。だからその代わり、もう少し頑張って。黒瀬蓮が離婚協議書にさっさとサインするよう、ちゃんと背中を押して」

「白石紗月、いい子ぶるのも大概にしなさいよ。年がら年中家にいて、働いた経験もない女が、黒瀬蓮から自分...

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