第29話

彼は私を射抜くように睨みつけた。双眸には、火が燃えているような怒りと、裏切られた痛みが同居している。

まるで――彼が私に真心を注ぎ、私は金のためにそれを踏みにじった。そんな筋書きにしたいみたいだった。

ソファに腰を下ろしたまま、私は顎を上げて彼を見返す。込み上げてきたのは怒りより先に、滑稽さだった。

滑稽で、どうしようもない。

ここまで来て、まだ「お前は金目当てだ」と言い返すつもりなのか。

「あなたは美玲のために、私が被害者だと分かっていながら、潔白を証明することさえ許さなかった。七年間、私があなたに嫁いでから、あなたは一度だってまともに私を見なかった。私が必要なとき、あなたはいつ...

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