第31話

【黒瀬蓮’s POV】

一時間あまり後、美玲の家の玄関前。

「……黒瀬さん、こちらはもう動かなくて大丈夫です。ネット上で律坊ちゃんに不利だった情報は、全部消されています」

さっきまで、俺と律まで巻き添えで叩かれているのを確認して、世論を押さえる準備に入ろうとしていた加藤玲司が、言葉の途中で固まった。反射的に顔を上げ、俺を見る。

「……全部、消された?」

その一言で足が止まる。拳が、勝手に握り込まれていた。

「誰がやった。美玲か?」

「美玲様ではありません」

いいことがあるたび、俺が真っ先に美玲を思い浮かべる。それが喉に引っかかったのか、加藤玲司は一瞬言葉に詰まり――白石紗月へ...

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