第43話

「どうした?」

私の顔色がさっと変わったのに気づいたのだろう。神谷悠真はすぐに路肩へ車を寄せ、ハザードを点けた。

「……何でもない」

私は無表情のまま、発信者が黒瀬蓮の着信を切る。

「帰ろう。仕事を後回しにしてまで病院まで迎えに来てくれたお礼に、今日はあなたと神谷怜にラムラックを焼いてあげようか?」

「ラムのロースト? それは楽しみだな」

誰も気づかない。

その瞬間、私のスマホ画面がもう一度だけ、ふっと明るくなったことに。

黒瀬蓮からのメッセージ。

【白石紗月。祖父が入院した。手術が必要だ。国内でその術式をできるのは榊原蓮司だけ。明日、お前が直接榊原先生のところへ行け】

...

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