第44話

「この店、何か特別なの?」

「知らないの? ここのカップルコースが有名でさ。市内じゃ定番のデートスポットなんだよ」

美玲がぱちぱちと瞬きをしながら、私と神谷悠真を交互に見比べる。

「デートスポット……?」美玲の言葉をなぞるみたいに繰り返して、私は反射的に神谷悠真へ視線を投げた。

「俺も、カップルコースが有名だなんて知らなかったよ」神谷悠真は肩をすくめ、心底無実そうな顔をする。「ここに連れてきたのは、神谷怜が『ここのレッドベルベットケーキがうまい』って言ってたから」

「私と神谷悠真は、カップルコースがあるって知らなかったから来た。……美玲、あんたはここがデートスポットだって知ってたの...

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