第57話

「白石紗月、説明してもらうぞ」

黒瀬蓮は私のスマホを受け取ると、眉間に皺を寄せたまま写真をめくっていく。見るほどに顔色が沈んでいった。

けれど――私の表情は終始、淡いまま。

「料理を作ったのは確かに私。神谷怜のためにね。服を買ったのも私よ」

「でも、それで分かるのは黒瀬律が『私が神谷怜に買ったもの』を見たってことと、勝手に写真を撮ったってことだけ」

「神谷怜がわざわざ黒瀬律の前で見せびらかしたとか、黒瀬律を殴ったとか……そこまでは証明できないわ」

神谷怜の名を呼ぶときは自然に口にした。けれど黒瀬律については、わざとフルネームで言う。

その差に気づいたのか、黒瀬蓮の目つきがさらに...

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