第64章

「神様、ありがとう。やっと退院できた」

時間が経つのは早い。気づけば、もう一週間が過ぎていた。

この間しっかり休養したおかげで、藤崎杏奈の体調はようやく退院基準を満たしたらしい。

退院当日の朝、私はいつもより早く病院へ向かい、杏奈の退院手続きを手伝った。

手続きを終え、一緒に病院の外へ出たところで、杏奈がいきなり額をぱん、と叩き、きょろきょろと周囲を見回す。

「え? 白石紗月、あんたの護衛騎士は? 今日はどうして隣にいないの?」

「護衛騎士?」

配車アプリを開いていた私は、思わず顔を上げた。

「誰のこと言ってるの?」

「決まってるでしょ。神谷悠真よ!」

杏奈は私の肩をぽん...

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