第8話

顔を上げると、病室の扉口に男が立っていた。背が高く、彫りの深い顔立ち。眉と目元が整った、思わず見惚れそうなほどの美丈夫。

白いシルクのシャツに、黒のスラックス。

どうやら走って駆けつけてきたらしい。シャツは汗で湿って、腰から腹にかけてぴたりと張りついている。薄い生地の下――引き締まった筋肉の輪郭が、はっきり分かってしまって。

こほっ、こほっ……

そりゃ神谷怜くんがあんなに可愛いわけだ。お父さんが、これか。

私は思わず息を呑み、頬がじわりと熱くなる。

「おばさん、あれ僕のパパ! 神谷悠真っていうんだ。かっこいいでしょ? 僕のママになってよ。ママになったら、パパのこと好きに使っていい...

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