第88章

「美玲、全部……黒瀬律にきちんと説明して。あの子とお母さんの間に誤解が残るのは嫌なの」

黒瀬蓮は黒瀬律の口を手で塞ぎ、そのまま美玲のそばへ押しやった。視線には、はっきりとした警告が滲んでいる。

「わ……分かりました」

美玲の瞳がきゅっと縮む。彼女は慌てて黒瀬律の前にしゃがみ込み、真面目な顔で言い聞かせた。

「黒瀬律、よく覚えておいて。あなたを助けたのはママと神谷怜よ。ほかの話は……またあとで、ゆっくり」

「あとじゃなくて、今だ」

私は椅子を引き寄せ、ゆっくり腰を下ろす。笑っているようで笑っていない顔のまま、美玲と黒瀬蓮を見上げた。

「美玲さん、黒瀬さん。黒瀬律を止めないでくださ...

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