第90章

黒瀬蓮はしばらく黙り込み、やがて大きく息を吸うと、自分の背後に隠れていた美玲を引きずり出した。

「美玲、白石紗月に謝れ」

私だけに謝って終わり、なんてあり得ない。

私はしゃがみ込み、ずっと必死に私を庇ってくれていた神谷怜を胸に抱き寄せた。

「美玲は神谷怜にも謝って。怜を叩いたんでしょう。このまま有耶無耶にはできないわ」

「でたらめ言わないで。私、白石紗月を陥れたりしてない」

美玲は顔色をこわばらせると、慌てて黒瀬蓮の胸に飛び込み、わざとらしく泣き真似を始めた。

「黒瀬蓮、あの子の言うこと信じないで。あれ、ただの小悪魔よ。私は触ってもいないのに、勝手に転んで、泣き喚いただけじゃな...

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