第5章

 午後七時、朋幸は桃香を連れてホテルの宴会場に足を踏み入れた。

 業界恒例のチャリティーディナー。出席者は企業のエグゼクティブや投資家ばかりだ。朋幸は本来、彼女を連れてくるつもりはなかった。だが、桃香がオフィスの入り口で三十分もゴネて『こんな高級なパーティー、行ったことないもん』と騒ぎ立てたため、最終的に彼が折れる形となった。

 今となっては、その決断を激しく後悔している。

 桃香は胸元が深く開き、背中があらわになったドレスを身に纏い、腰にはギラギラと光るベルトを巻いている。メイクもナイトクラブにでも行くかのように濃い。周囲の女性たちが洗練されたビジネススーツや控えめなイブニングドレス...

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