第6章
車に乗り込むと、どっと疲労が押し寄せてきた。一晩中続いた気まずさとヒソヒソ話が、まるで針のように脳に突き刺さる。
ドアを押し開けると、部屋の中は暗闇に包まれていた。
習慣で乃理子の名前を呼ぼうとして、口に出す直前で思い出した。桃香の居場所を作るために、彼女たちを追い出したのは自分自身だったのだ。
朋幸は自嘲気味に笑った。
明かりをつけると、リビングはがらんとしていた。ソファの上に積まれていた美理の絵本も、ローテーブルに置かれていた乃理子のノートパソコンも、今はもう何一つない。
キッチンへ向かい、水を飲もうと冷蔵庫を開ける。
そのドアに、一枚の絵が貼られていた。
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