第8章

 朋幸が何か口を開きかけたが、私は構わず遮った。

「離婚の話なら、ここで済ませましょう。協議書はもう見たわよね。私はサインしたし、あなたもした。財産分与はいらないわ。美理の親権さえもらえればそれでいい」

「離婚には同意しない。あの協議書は……俺は内容も知らずにサインしたんだ。あんなの無効だ」

 私はふっと笑みをこぼした。

「構わないわ。法律上、二年間別居すれば一方的に離婚を請求できる。それまで待つから」

 朋幸が一歩歩み寄り、私の手を取ろうとする。

 私はさっと後ずさりしてそれを避けた。

「近づかないで」

 差し出された彼の手が、宙で凍りついた。

「乃理子、俺たちはまだやり...

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