第6章

翌朝目が覚めると、ドアの外からノックの音が聞こえてきた。

大家の家賃の催促かと思い、私は布団の端を強く握りしめたまま動かなかった。

ノックは執拗に長く続き、やがて鍵が回る音に変わった。

その直後、ドアが開く。

入り口には四方堂蓮が立っており、手にはコンビニの袋が提げられていた。

「どうやって入ったの」

「大家に鍵をもらった」

彼は土足で踏み込むように部屋に入り、袋を無造作にテーブルへ置いた。

私は視線を伏せる。

「出て行って」

「朝飯食ってからな」

「出て行ってと言ってるの」

蓮は動こうともせず、ただ弁当の蓋を開けた。

「最後に何か食ったのはいつだ?...

ログインして続きを読む