第7章

 颯斗の指先が震えていた。

 意を決したように、彼は目の前の白布を乱暴に撥ね除ける。

 その瞬間、時が凍りついたようだった。

 鼻をつく消毒液の臭いが、やけに鋭く感じられる。

 滑り落ちた布の下から現れたのは、血の気を失った私の顔だった。

 胸の上下動はなく、睫毛も微動だにしない。

 乾いて紫色に変色した唇。かつてはいつも彼を追いかけていた瞳は固く閉ざされ、二度と彼を映すことを拒絶していた。

「嘘だ……」

 颯斗はよろよろと後ずさる。見えない銃弾で胸を撃ち抜かれたかのように。

「嘘だ! こんなの違う! ありえない!」

 がくりと、彼はベッド脇に膝をついた。震える手が私の頬...

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